2017年卒業の大学生の就職企業人気ランキング概要
毎年その年に卒業をする大学生を対象に、複数の企業が就職先人気アンケートをとっています。
いくつかのデータがありますが、大手の就職企業において出されている結果はだいたい同じようなものです。
一般的な傾向として大学生の就職先として人気が集中するのは大手企業や一流メーカーであることは変わらないのですが、その順位は常に不動というわけではありません。
大企業であっても不祥事が発覚したり、何らかの要因によって大きく業績が落ち込んだことが発表をされると、翌年の人気ランキングに顕著に影響が現れます。
近年の事例で行くと大規模な粉飾決算が明らかになった東芝や、劣悪な労働環境が社会問題になった電通、補償や組織再編が遅れる東京電力といったところは問題発覚前までは大人気だった企業です。
今の時代、大企業に就職をすれば一生絶対に安泰ということはありませんので過去の問題やランキングの変動に注意しながら就職先を選んでいく必要があります。
2017年卒の学生を対象にしたアンケートによると、文系で人気が高いのは「JTBグループ」「全日本空輸(ANA)」「エイチ・アイ・エス(H.I.S.)」がトップ3です。
一方理系学部で見ると「味の素」「東日本旅客鉄道(JR東日本)」「資生堂」と全く違った企業が高順位となっています。
別の会社による総合ランキングでいくと、文系・理系合わせた総合で「三菱東京UFJ銀行」「東京海上日動火災保険」「三井住友銀行」といった金融系が上位に集中しています。
かつて大人気だったトヨタの凋落が目立つ
理系学部出身者にとってトヨタ自動車は常に人気ナンバーワンの企業として知られてきました。
自動車メーカーの中でもトヨタ自動車に入ることは特別視されており、他を引き離す人気で優秀な人材を集めてきたという流れがあります。
しかしここ数年の間、トヨタ一強の牙城は崩れ順位は大きく変動をしつつあります。
これは自動車業界全体の業績が下降傾向にあり、これまでのようなビジネスモデルでは先細りしていくだろうという意識がじわじわと社会的に浸透してきたことによるでしょう。
代わりに順位を伸ばしてきているのが食品メーカー系で、首位の「味の素」の他に「サントリーHD」や「カゴメ」「明治グループ」「山崎製パン」といった企業がトップ10内に入っています。
また注目なのがかつて大きく順位を落としていた「ソニー」がここにきて急激に人気を回復してきているという点です。
かつては2015年に最も倒産の可能性のある企業とまで言われていたソニーですが、企業の組織再編や不採算事業の分離により事業立て直しが加速しています。