ハリー・ポッターの組分け帽そっくりのクモが発見
大ヒットシリーズとなった映画「ハリー・ポッター」シリーズですが、その第一弾に登場した印象的なアイテムの1つに「組分け帽」があります。
組分け帽とは作中で主人公ハリー・ポッターが通うホグワーツ魔法魔術学校の創始者であるゴドリック・グリフィンドールの持ち物だった帽子で、入学を希望する生徒が順番にかぶるとその生徒の特性を帽子が判断してどのクラスに入るのが望ましいか教えてくれるというものです。
映画では魔法使いの帽子らしく大きく先端が尖った幅広のつばを持った形状をしているのですが、インドのクモ学会誌に新種のクモとして掲載された生物がその形状にそっくりであるということが2016年にインターネットで話題になりました。
この新種のクモはインド南西部にある西ガーツという山岳地域で発見されたもので、ハリー・ポッターの組分け帽にそっくりということから名前を「エリオビクシア・グリフィンドリ」と決定されることとなりました。
この名前を付けたのはインドの科学者グループはもともとハリー・ポッターシリーズの小説の大ファンであったということで、発見当初から帽子にちなんだ名前にしようと決めていたそうです。
名前の決定を受けてハリー・ポッターシリーズの著者であるJ.K.ローリング氏もツイッターでお祝いを発言しています。
今後この生物の存在が生物学会ではあまり注目されることのない無脊椎動物への興味を、世界中の研究者に与えてくれることが期待されます。
他にもあった有名人にちなんだ名前の新種生物
映画に登場する人物やアイテムにちなんで名前が付けられた生物の例はこのエリオビクシア・グリフィンドリが初めてではありません。
2012年にアメリカで発表された新種のクモとして「APTOSTICHUS SARLACC(アポスティチュー・サルラック)」というものがあります。
これはスター・ウォーズシリーズファンならおなじみの名前で、「ジェダイの帰還」に登場してきた怪物の名前にちなんでいます。
なおクモではありませんが1996年にオーストラリアで発表されたダニの名前として「DARTHVADERUM GREENSLADEAE(ダーツヴァデラムグリーンスカッド)」という宿敵ダースベーダーの名称にちなんだものが使用されています。
映画だけでなく発見した研究者がリスペクトする有名人を名前にした例もいくつかあります。
代表的なところとしては「ニール・ヤングクモ」や「スティーブン・コルバートクモ」「オーソン・ウェルズクモ」「ネルソン・マンデラクモ」といったようなところです。
いずれも研究者と本人には関わりがないのですが、それだけに自分の研究に尊敬する人の名前を付けるという気持ちの本気さが感じられますね。